福山でサ活と日本酒

初めての福山駅

こんにちは、大和イタチです。

10年ぶりの長崎訪問からの帰宅途中、広島県福山市に立ち寄りました。この街は2回訪問したことがありますが、車、バイクで来たため福山駅を利用するのは初めてです。

私は、鉄道が好きで小学生の頃から旅を行ってきました。西日本の主要な駅はほとんど降り立っているつもりでしたが、中国地方3番目の人口を持つ主要都市福山に鉄道で降り立ったことはありません。サウナ、その後友人との飲み会と合わせて新幹線の中でワクワクでした。

列車の旅のよいところは、お酒が飲めることです。子供の頃は列車に乗って景色を眺めるだけで幸せだったのですが、大人になるとプラスアルファ、つまりアルコール越しに景色を見たくなります。NHKのBS放送で時々「呑み鉄本線日本旅」という番組を放送しています。俳優の六角精児さんがローカル線に乗り、途中下車しながらひたすらお酒を飲むという番組です。しかも途中下車するポイントは六角さんの趣味が反映され、かなり鉄分(鉄道の成分)の濃い場所になっています。列車に乗って、お酒を飲んで、給料のもらえる六角さんは世界で一番幸せな仕事をしていると思います。画面から伝わる彼の表情もとても幸せそうです。

というわけで、昨日は朝4時まで飲んでいたにも関わらず、転ばぬ先のソルマックのおかげで肝臓を回復させていた私は、博多駅で新幹線に乗る前、ビールが飲みたくなっていました。しかし、数時間後に控える福山初下車とサウナのために、きれいな体でいることにしました。

新幹線福山駅上りホームへ降り立つと、その福山城とのあまりの近さに驚きます。地図で位置関係は予習していたものの、まるで城の中に鉄道を引き込んだような配置です。事実、駅前の工事現場の壁に掛けられていた古地図を見ると、現在の福山駅のかなり南まで福山城の敷地でした。福山に鉄路が到達したのは明治中旬だと思います。城に対する思いと当時最先端の交通を求める熱望、複雑に絡み合ったのでしょう。

昭和50年の山陽新幹線全通時に建て替えられたこの駅は、高架になった山陽線の真上をさらに高い新幹線の高架が跨ぎます。京都駅の新幹線と近鉄との関係を連想させますが、頭端式の近鉄に対し山陽線は東西に貫いています。予想を超える大きさのこの駅を、もっと堪能したかったのですが、サ活の時間確保のため泣く泣く駅を後にします。しかし、鉄道の駅ってどうしてこんなに興奮するのでしょう。空港やバスターミナルではこんな気持ちにはなれません。そのあたりの心の構造にも一度踏み込んでみるべきなのかもしれません。

福山駅
予想以上の規模でした

スーパー銭湯ゆらら

今回サ活を行うのは「スーパー銭湯ゆらら」。福山駅から西へ向かって徒歩10分。街の景色を味わいながら歩いて行きます。旧備後国の中心地、人口も経済規模もかなりの福山は同じ県でも広島市とは異なる気質と独立心を持っていると聞きます。しかし、駅前の中心地を見ると、かつての栄華を感じさせるものの、モーターリゼーションの発達による郊外店舗との競合に押されつつある様子も痛いほどわかります。

近年こういった街を数えきれないぐらい見て来ました。郊外の巨大モールが一人勝ちして、中心街の商店街はガラガラという構図です。そのたびに、心がモヤモヤです。時代の流れとはわかっていても、なぜか心が重くなります。私は、一人が大きく勝過ぎることを無意識のうちに嫌っているのです。白鵬の優勝を素直に喜べないのも、小選挙区の制度がしっくりこないと思えるのも、東京にモノと人が集まりすぎることに危機感を覚えるのも、「一人勝ちが嫌」という点でつながっていると思います。

一目で閉店したデパートだと分かる巨大なビルの横を通り、私は福山にエールを送りながら「ゆらら」へ歩みを進めます。

スーパー銭湯ゆらら
ゆらら スーパーな構えの入り口

「ゆらら」は、私の予想以上に大きな建物でした。2階が休憩施設になったスーパー銭湯が多い中、ここは福山市中心部にも関わらず平面にドーンと広がっています。

靴を下駄箱に入れて、自販機でサウナセット750円を購入します。タオルが2枚付いてこの値段はかなりお得です。福山での初サ活に期待が膨らみます。

浴室に入ると予想以上の平均年齢の高さに驚きました。今日は休日にも関わらず、若者はほとんどいなく、おじいちゃんの姿が目立ちます。かなりゆったりとした浴槽や洗い場でしたが、アメニティーが全くありません。これだけのスーパー銭湯でボディーソープやシャンプーが置かれていないのは珍しいと思いますが、その分入浴料を下げているのでしょう。

体と頭皮をきれいにしてサウナスペースへ入場します。この銭湯はサウナは別料金で、腕にタグをつけている人のみがこのスペースに入ることができます。サウナは2つ、どちらもドライで片方が塩サウナとなっています。肝心の水風呂は二つのサ室の間に位置します。

さて、友人との待ち合わせまで2時間半。セッションの開始です。

サウナブームはまだ到来していないかも

メインのサウナ室は3段で収容人数は10人程度。中のテレビはゴルフ中継。「今は大相撲でしょう!」という気持ちを抑えて、「Let it be、あるがままに、邪念や欲望を捨ててそのままの状態を堪能するべし」自分に言い聞かせます。実際の所、セッション時間が乱れる大相撲中継よりも、興味のないゴルフの方が、確実に12分計を活用しながら体を温めることができる、そう思うことにしました。私のようなネガティブがベースとなっている人間は、状況の読み替えを行う能力を必要とします。

それにしても、高年率の高いサウナです。まあ、サウナは本来こんなもので、サウナブームで注目を浴びる有名どころが特別なのかもしれません。

ゴルフ中継が終了してもスタッフがチャンネルを大相撲に変えに来る気配はありません。
以前行った神戸市垂水区の「太平の湯」では、午後3時になると、リモコンを持ったスタッフがサ室入場、「申し訳ございませんがチャンネルを変えさせていただきます」。そして大相撲中継開始、サウナー達もそれを当然のごとく受け入れ、みんなで歓声を上げるという素晴らしい経験をしました。

TVは広島のローカル番組で、県内の高速SAの紹介をしています。私は数人になった室内で、いろいろなポジションをチェックします。ストーブと入り口との位置関係なのか、TVの真横の席では体がほとんど温まりません。室内温度にムラがあり、慣れるまでは自分のポジション選びに苦労します。

12分計が一回りしたところで最初の水風呂。「おおっ、冷たい」水温計は無くおそらく17度ぐらいと思われますが、昨日長崎での水風呂がヌルめだったため余計に冷たく感じられます。大きさはまずまずで、一度に5~6人は入れるのですが、あまり利用する人がいません。特に塩サウナ利用者は、シャワーで塩を落として終わりの人が多いです。

まだサ活を意識したサウナーの数が少ないのかもしれません。そういう私も、意識し始めてまだ半年。それまでは、水風呂は入ったり入らなかったりでした。ここの水風呂もキャパ一杯に利用される日がそのうちやってくるでしょう。

メインサウナの横には休憩室があります。マットの敷かれた長椅子3つとウォータークーラーが置かれた部屋で、カーテン越しにマッサージ台が置かれています。この施設に”ととのい椅子”は置かれていなく、サウナーたちはここで休憩するようでした。

氷を口にゆっくりと瞑想する人もいますが、私はカーテン越しにいるマッサージのお姉さんが気になって仕方がありません。タオルは巻いているものの、なんかソワソワ。落ち着かないので露天風呂のスペースで小休憩。やはり外気の方が気持ちいいです。

途中、塩サウナを挟みながら4セッションをこなして「ゆらら」を後にしました。長崎・福山と2日連続でドライサウナを体験しました。ドライサウナにはジリジリするような暑さで汗を絞り出す特徴があり、それはそれで気持ちいいのですが、最近ドライばかりなので、そろそろロウリュが恋しくなってきました。

この後、高校時代の友人・その旦那さん・お義母さんと会い、日本酒のおいしい居酒屋でご馳走になりました。たくさんのおいしい日本酒をいただき、その感想も書こうと思っていたのですが、話に夢中で銘柄すら覚えてません。とても有意義な福山訪問でした。

モヤモヤ ⇒ ⇒ ⇒ ⇒ 幸せ?

私は「一人勝ち過ぎる」を見るのが嫌なのだと書きながら気付いた。

投稿者: 大和イタチ

兵庫県在住。不惑を過ぎたおやじです。仕事、家庭、その他あらゆることに恵まれていると思いますが、いつも目の前にモヤモヤがかかり、心からの幸せを実感できません。書くことで心を整理し、分相応の幸福感を得るためにブログを始めました。