簿記Tシャツ

始まりは去年8月末

去年の初めから簿記の勉強はしてみたいと思っていましたが、私が実際に始めたのは8月の末でした。それまでは英検1級の2次対策の学習が中心で時間がさけませんでした。

8月22日に英検1級の2次試験が終わり「これは合格した」と思ったので、簿記の学習を始めました。息子がリクルート社の「スタサプ」をやっていたため、そのサイトを見ていたら「日商簿記3級対策」の講座もあるではありませんか。

親の思いとは裏腹に息子はなかなかスタサプで勉強しようとはしません。「それならば!」ということで、親がログインして学習することにしました。間もなく、妻も「私も簿記したかった」といって参加してきました。

8月末から1台のパソコンを妻と奪い合いながら、時には一緒に同じ動画を見ながら簿記の学習を行いました。初めて触れる簿記の世界は新鮮で、次の動画が待ちどおしいぐらいでした。約1か月半で講座を見終わり。そこからは過去問題集を買ってきて解きはじめました。

10月も半ばになると「あとひと月で7割も取れるようになるんか?」という状態でしたが、残り2週間で突然理解が進み過去問でも8割以上とれるようになりました。

あの時の「わかった感」、小さな学習の積み重ねが大きな「ああ、これって結局そういうことか」に変わる瞬間、これがあるから勉強は楽しいのだと思います。最近ではイタリア語でその感覚を味わいつつありますが、ここは簿記の話を続けます。

11月15日に二人そろって加古川商工会議所に受験に行き、その半月後に合格がわかりました。結果は2人とも合格でしたが、妻の方は10点近く私より良い成績でした。気をよくした妻は今「スタサプ日商簿記2級対策」に夢中です。

簿記から学んだこと

私はイタリア語の勉強に力を注ぎたかったので、とりあえず簿記はここで中断していますが、学習を始めて以来、その簿記的な考え方は私の中で影響を与え続けています。

1つの現象は見方を変えて複数の言葉で説明することができる

物事の持つ価値は時間の区切り方や相手により変化する

もちろん今までも頭の中ではわかっていたことですが、簿記の仕訳をしていると、そのことが実際に自分の中で血肉となっていく感覚がします。

「同時に二つのことが発生している」

つまり良いことと悪いことは、それぞれ独立して存在しているわけではなく表裏一体のものだと思えば、自分が体験することに対して楽な気持ちになれます。

私は簿記を始めて自分の心が軽くなっていくのを感じました。それと共に、頭にいろいろなアイデアが浮かんできます。「簿記Tシャツ」もその中の1つでした。

売上原価を計算する時、清算表に、仕入れ⇒繰り越し⇒繰り越し⇒仕入れという記入を行います。いわゆる「し・くり・くり・し」というやつです。この記入の順番をたどると「Z」の形になります。

私の中に「これをデザインにしたら面白いかも」という考えが浮かびました。思ったら即実行、そして次のような形にしました。

左胸のデザイン

売上原価の計算なので韻を踏んで下に「We are元気か?」の文字を入れました。これが左胸に来ます。「売上原価・We are 元気か?」手前味噌ですが、語呂もよくラップになりそうな気がしてきます。

後ろのデザインは、上に書いた私が簿記から学んだことを表してみました。つまり「心配しなくても、人生は借方・貸方トントン」ということです。

背面のデザイン

矢印が示すように、人生はこれからも続いて行きます。その中で様々な出来事が起こるでしょうが、それは借方・貸方両方に同時に記されていきます。そしてその勘定科目は入れ替わることもあります。だから物事に一喜一憂し過ぎるな、そんな気持ちが込められています。

シャツの行先

去年私は新しい銀行口座を作りました。そしてその口座を「プレゼント用口座」と名付けました。これは私が最近よく見る動画「リベラルアーツ大学」の両学長のアイデアに影響されて作ったものです。

口座に入れる原資は財布の小銭です。以前から小銭が増えて小銭入れが膨らむことが私は嫌でした。革の小銭入れが「苦しいよう」と悲鳴をあげているような気がするのです。

だから一日が終わると小銭入れの中の硬貨を大きな貯金箱の中に移します。小銭入れもスリムになってスッキリします。ついでにそれを入れるズボンのラインも整います。

ある程度貯金箱にお金が貯まったら銀行口座に入金します。これを1年繰り返したところ「イイ感じの額」になりました。「イイ感じ」とは、お世話になった人たちにプレゼントを買って渡しても「ショボくもないし、遠慮されるほど高額でもない」ぐらいです。

私は、プレゼント用口座に貯まったお金で簿記Tシャツを作成しました。プレゼントするのは、今回の私の日商簿記3級の取得に関してお世話になった人々です。職場で応援してくれた人、解説書を貸してくれた人、簿記の話で意気投合した立ち飲み屋常連さん、私に先立ち3級を受験したその店の店主などです。

季節外れの服を渡すのは申し訳ありませんが、家に寝かしておくわけにもいきません。Tシャツを渡すと皆喜んでくれます。中にはシャツを手にしてこちらが恐縮するぐらい狂喜された方もいました。

ここでも人生に簿記が当てはまっていると思います。私から現金が出ていくのは「貸方・現金」となりますが、それと釣り合いを取るように「借方・感謝」がやってきます。それぞれの人がそのTシャツを着ている姿を想像すると借方に「前払い金」まで計上されてる気分になります。

夏が来て、私の作ったTシャツを街で見かけるのが楽しみです。(外で着てくれればですが)

次のプレゼント預金は「サウナTシャツ」にでも使おうかなと考えてます。

投稿者: 大和イタチ

兵庫県在住。不惑を過ぎたおやじです。仕事、家庭、その他あらゆることに恵まれていると思いますが、いつも目の前にモヤモヤがかかり、心からの幸せを実感できません。書くことで心を整理し、分相応の幸福感を得るためにブログを始めました。