角打ちの日

立ち飲み

 こんにちは、大和イタチです。心のモヤモヤを取りはらい、分相応の幸福を感じるためにブログを書いています。

 気が付くと心モヤモヤモードに入ってしまう私ですが、少し解放される時間があります。それは立ち飲みにいる時です。お酒は好きな方なので、本当なら毎日でも飲みたい気分なのですが、飲んでしまったらそのあと何もする気にならないことと、間を開けたほうが飲んだ時のおいしさをより強く味わえるので、週3日程度休肝日を設けています。大抵、月火水の3日です。

 3日間の断酒の後、大抵木曜日の夕方は立ち飲みにいます。職場の最寄りの駅から徒歩3分、住宅街の一角にある小さな酒屋さんへよく行きます。店舗の奥に、小さな角打ちがあり、そこに集うのはほぼ常連というお店です。

 初めて入る時、かなり勇気がいりましたが、通い始めて約2年、今では私も常連の仲間入りをさせていただき、週に2~3回、杯を手に他の常連さんとの会話を楽しみます。木曜は、72時間以上アルコールが抜けた状態で行くので、特にお酒がおいしく感じます。

7月11日

 今日は7月11日木曜日。いつも楽しみな木曜に加えて「角打ちの日」でもあります。私は仕事を終えるなり、足取りも軽くいつもの店を目指します。この時の心持ち、なんとも言えずにすがすがしいです。

 詳しい由来はわかりませんが、「角」という漢字を分解すると、何度も重複しますが「7」「月」「11」「日」というパーツを作ることができるので、この日が「角打ちの日」となったようです。

 去年偶然、7月11日に立ち寄り、常連さんに「角打ちの日に会えた」と言われたので、この日が立ち飲み士にとって特別な日であることを知りました。世の中には様々な記念日がありますが、まさか立ち飲みの記念日があるなんて。人生は常に勉強ですね。この常連さんは「角打ちの日」の普及活動をされている方だと後で知りました。

 6時半ごろ店に着くと、先客が5名。そのうち3名は常連さんです。大きな冷蔵庫の上に置かれたTVでニュースを見ながら、ああだこうだと立ち飲みトークです。異なる年齢や職種の人と、こうやってニュースをネタにお話しするのも気分転換になって楽しいものです。私もすっかりオヤジです。内容はたわいもないことで、後で思い出せないほどなのですが、話の内容よりも、気持ちよく一緒の時を時を過ごしたということが大切なようです。

午後7時11分

 30分ほど滞在して、そろそろ最後の一杯を飲んで帰路に付こうか、と思った時、去年「角打ちの日」を教えてくださった例の常連さんがひょっこり。「角打ちの日ですね」という私に、少しあせった表情で「間に合った!」。

 時計を見ると7時10分前。「さあ角打ちの日に乾杯しよう!」

 スマホの時計を見ながらカウントダウン、7時11分に乾杯。

 「そこまでこだわるか?」と思いましたが、同時になんとも言えないユルい気分になりました。酒飲みにとってはどんなことでも酒を飲む理由になるといいますが、強引に角打ちの「角」の文字を分解し、日時を設定し、それがまるで素晴らしいことであるかのように振舞い、そして酒を飲む。

 まったく関連性のない日付と酒の関係。強引に作られた記念日。そんなことでも、こうやって気に掛ける人達がいて、そこに笑顔が生まれて、短時間であっても楽しい時を過ごせるということは、人を幸せにするちょっとした知能ゲームみたいなものだと感じます。

 来年の7月11日をカレンダーで見てみると土曜でした。仕事はおそらく休みでしょうが、また例の常連さんと乾杯をしにこの店を訪問しようと思います。1年間の間に、私も、とりあえず自分の周りで「角打ちの日」の普及活動を行おうかな。

モヤモヤ → → → 幸せ?

”どうでもいいようなことを強引に記念日にしてみる。それを楽しむ。”

投稿者: 大和イタチ

兵庫県在住。不惑を過ぎたおやじです。仕事、家庭、その他あらゆることに恵まれていると思いますが、いつも目の前にモヤモヤがかかり、心からの幸せを実感できません。書くことで心を整理し、分相応の幸福感を得るためにブログを始めました。