私の一日
10月5日日曜日、私の1日を箇条書きにしてみます。
朝5:30起床。目覚ましは6時に設定していたが、休みの日は必ずといっていいほど設定時刻より前に目が覚める。前日酒を飲んでいても目覚めがすこぶるよい。平日の私とは体と心の構造が異なるように感じる。
顔を洗い、お湯を沸かしてほうじ茶をいれ、それをすすりながら6時前には勉強開始。この日は英語から。「杉田敏の現代ビジネス英語」を一冊、4レッスン分音読する。
2021年3月に長年お世話になった「実践ビジネス英語」のラジオ放送が終了したときには、「これからどうしよう」と喪失感に襲われたが、すぐにこちらのムック本シリーズが出版されたので救われた。
音読が終わればTOEIC対策本「990点攻略 文法・語彙問題1000」に取り掛かる。これまでTOEIC L&Rで何十回も満点を取った濱崎潤之輔先生のノックを受ける。5〜60問解いたところで妻が起きてきたので、パンとコーヒーの朝食をとる。
食後すぐに勉強再開。2時間目は台湾語と台湾華語。この二つの言語は同時に勉強する。明日香出版の台湾語シリーズは日本語→台湾華語→台湾語の順番で音声が流れる。
CDをかけてテキスト見ながらひたすら真似していく。今覚えようとしていることは、この二つの言葉の基本文型とそれぞれの言葉で用いられる漢字の音。
元々はどちらも大陸からやってきた言葉であるが、台湾の地でそれぞれが独自の進化を経験している。その両言語の距離を、同じく漢字を使う日本人とし体験することがワクワクする。
1時間弱CDを聴き休憩に入る。頭を休ませたいので、コーヒーを飲みながら読書する。30分ほど新書を読んでいたら眠くなってきたので、10分タイマーを仕掛けてソファーで目を閉じる。
アラームが鳴り、目を覚まして勉強再開。3時間目はイタリア語。ウォーミングアップとして「口が覚えるイタリア語」の例文を日本語からイタリア語に直していく。
全部で520の例文が載っているこの本でこの作業をするのは32回目。「正」の字で印をつけている。これだけ繰り返せばほとんどの例文は覚えている。それでも、一言目が出てこない相性の悪い表現もある。
100文伊訳をしたら今度は音読。「イタリア人が日本人によく聞く100の質問」を順番に読んでいく。30分ほど音読を続けたところで昼の12時半。今日の語学学習はここで終わり。昼食を軽く済ませたらサウナセットを持って駅へと向かう。
この日やってきたのは神戸と明石の境目やや明石よりにあるスーパー銭湯「龍の湯」。ここの特徴は休憩室が広く漫画の種類が多いこと。
サウナ+水風呂+外気浴の4セットで2時間弱。もう少し汗をかきたい気持ちであったが今日は漫画を優先する。私はよく生徒に「面白い漫画ないか」と質問をする。この週に薦められたのは二つの漫画。そのうちの一つ「ガンツ」があったので1巻から読み始める。
漫画を読み始めると時間の経過が早くなる。あっという間に2時間経過していたので龍の湯を出て電車に乗る。
日が暮れるのが早くなった。薄暮の街を歩き馴染みの立ち呑みの暖簾をくぐる。中には顔見知りがちらほら。ビールを飲みながらたわいもない話をする。
1時間ほどで切り上げて、家に帰り晩御飯を食べてしばらくすると眠気が襲ってきた。こうなったら寝室に行く他にもう何もできない。早起きした分床に着くのも早い1日であった。
6時間勉強して、サウナと漫画を4時間楽しみ、立ち飲みで1時間過ごす、なかなかご機嫌な時間配分だと思います。
余裕の日曜?
10月第一日曜日は私にとって特別な意味を持つ日であります。なぜならイタリア語検定はこの日に実施されるからです。準二級以下は3月にも日程がありますが、それ以上は年に一度このだけとなります。
ここ4年間、年末に翌年の手帳を買うと私は真っ先に10月第一日曜に印を入れていました。「あと300日もないのか」とつぶやき、この日に向けて何をしていこうかと考えを巡らせていました。
「イタリア語をやめたらもったいない」「続けなければならない」自分で作った呪縛に苦しんでいた私はそれと決別するためにイタリア語の受験を決めました。
「2級が取れたらもういいだろう」
そう思って2020年に受験することを決めるも、その年は英検1級と日商簿記3級を受けるため1年延長。これで苦しみから解放されると思って受けた2021年は惨敗。その語2年間あと数点の壁に苦しめられて不合格を重ねました。
2024年は苦手な作文を中心に勉強していましたが、検定協会の都合で試験自体が中止、その代替で行われた今年春の試験でようやく私は2級を取得することができました。
3年間も続いた浪人生活を終えて、私はイタリア語検定2級保持者として今年の検定日をむかえています。さぞ楽な気持ちでいるだろうと思われるかもしれませんが、この日の私の過ごし方を見るとそうとは言い切れません。
「2級を取ったら映画や音楽とかエンターテイメントのみでイタリア語と付き合おう」
試験結果が来るまではそう思っていました。しかし、人の性格はなかなか変わるものではありません。私は今までの学習スタイルを捨てられないのです。資格を取ったからといって劇的にイタリア語の能力が変わったわけではないからです。
だから本当に自由な休日であっても、私は朝から6時間勉強をしてしまうのです。銭湯や立ち呑みに移動する間も、常にポッドキャストで英語やイタリア語を聞いているのです。それは良いとか悪いとかの問題ではなく、私の心の根に染み込んだ性なのだと思います。
人間は現状維持バイアスが強く、習慣化していることから離れることが困難であります。私も例外ではなく「語学の勉強が大変」と言いながら、その反面で新たなことをやらなくてよいので安心している部分もあります。
新たなこととはブログに有料テーマを入れて整備したり、noteのアカウントを作って記事を書いたり、以前から考えていた弁当の動画を作成したりすることです。
これらは私が仕事を辞めた時、私を経済的に手助けする種となるものだと考えています。未来の私にとって大切なことなのですが最初の一歩を踏み出すことができません。そんな時、語学学習に追われていたら自分に対して言い訳ができます。本当に人の心とは複雑で一筋縄ではいかないものです。
現状維持バイアスが強い私ですが、この日勉強をしながら新しいことを行いました。なんだそんなことかと思うかもしれませんが、私が今まで避けてきたことです。
それは机に向かいながら音楽をかけることです。「歌詞が干渉して学習の邪魔になる」と勝手に思い込んでいましたが、やってみるとそうでもありませんでした。考えてみると私は一時期喫茶店でよく勉強していました。
これで「最近音楽を聴いていない。聴かなければ」という呪縛から解放されます。こんな簡単なことに気づく50代とは、私は本当に思い込みに支配され続けた人間だと思います。まあ、それだけにそこから解放される余白は多いのですが。
来年の10月第一日曜はもっともっと柔らかな気持ちで迎えます。
