書くこと(続き)

私デスノート

ブログを始める前にWH-Smithのノートをつけていた話、そこからどういう訳でブログに移行したのかを前回の記事で書きました。今日はその続きです。

何の制約もなく思いを書き綴っていたノートに比べて、ブログで記事を書くということは緊張感が違ってきます。ノートでは箇条書きの文や名詞句を書き連ねてもよいのですが、ブログではそういう訳にはいきません。

これは読者が誰かということに起因します。

ノートは私しか読みません。ですから、箇条書きや名詞句でも、それを書いたの私でありますから、その意図を読み取ることができます。その語句を書いた時の自分の気持ちを知っているからです。

しかし、公に公開されているブログでは、そのような事情は配慮されないために、あくまで初めてその記事を読む、私の背景を知らない人でもわかる文章にしなくてはなりません。

その距離感を作ることは、自分を客観視することであるため、このブログの目的である「心の調整」になるのですが、どうしてもよそよそしさが残ります。ここにあらわれる文章は、間違いなく私の中身についてなのですが、プロセスをいくつか踏んだ上の姿を現しています。

私と大和イタチが、想定される読者(その中には私自身も含まれます)のことを考え、体裁を整えながらキーボードを打ち、現れてきたものがこのブログの文章です。

ブログを書き始めて1年ほどすると、私は、もっと生々しい私の姿を記す場所も必要であることに気が付きました。

パッと頭の中に浮かんだ些細なこと、そこから自分の考えや行動に影響を与えてくれそうなこと、そんなことを書き記し、発展させる場所です。上手くいけばその中からブログの記事ができるかもしれませんし、もっと大きな、人生を変えるような教訓や行動の指針が得られるかもしれない場所です。

手帳やスマホのメモ機能ではスペースが小さすぎます。やはりノートぐらいの大きさが丁度よいです。私は少し高級なノートを購入し、その表紙に「私デスノート」と記しました。

思いを実現させる

私デスノート

上の写真がそのノートです。1年半前に書き始め、今では4冊目に入りました。容易に察せられる通り、ノートのタイトルはマンガ「DEATH NOTE」から取りました。

死神のノートであるDEATH NOTEに名前が記されると、その人間は死んでしまいます。主人公は、そのノートを利用することで理想の世界を築こうとする物語です。

恐ろしい事ですが、物語の中ではDEATH NOTEに書かれたことは現実になっていきます。「私デスノート」の中に書かれたことも、私のこれからの人生のどこかでつながり実現していく、そういう風に考えてノートをつけています。

それともう一つ、このノートを命名するときに思ったことがあります。単純なことなのですが、ハッとさせられたことです。それは、私の人生の主人公は「私デス」ということ。

私の人生には、妻や子どもたちといった自分以上に大切な存在もあります。しかし、それを大切であると思っているのは、間違いなく私自身なのです。私の周りで起こる様々な出来事、それを感じ取り、意味づけを行い、喜怒哀楽を感じているのは私なのです。

私の人生を生きているのは、外ならぬ私です。スティーブ・ジョブスも言っていました。

”Your time is limited, so don’t waste it living someone else’s life.”

(人生は限られている。だから他人の人生を生きてそれを無駄にするな)

スピーチは続きます。

”And most important, have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become. ”

(そして一番大切なこと。自分の心と直感を追い求める勇気を持つこと。それらは、すでにあなたが真になりたいものを知ってるはずだ)

「これは自分の思ったような人生ではない」そう思いながら生きている人は多いのではないでしょうか。私もそうでした。

通勤電車の人々、月曜日の職場の同僚、疲れた顔をしています。自分の人生を生きている顔ではありません。いったいどれだけの人が、心と直感にしたがって生きることができているのでしょう。心と直感にしたがって生きることは不可能な世の中なのでしょうか。

私たちは数多くの思い込みに支配されていますが、よく考えるとそんなにガチガチに凝り固まって考える必要はないと思います。私は安全で福祉の整った国に、身体的にも経済的にも恵まれた状態で暮らしています。

自分の心の声を聴きながら生きることは、それほど困難なことではないはずです。いや、むしろそれが行いやすい時代に生きていると思います。

私は心の声をこのノートに書き記していきます。私の人生の主人公である私が、自分の思いを実現させる元になる場所、それが「私デスノート」なのです。

心の声

私デスノートに書かれていることは、ものができ上る前の原材料のようなものなので、ブログの文章と違い人様に見せられるようなものではありません。

このノートには、頭の中に浮かんだアイデアやふとした気づき、または読んだ本の印象に残る一部や動画から学んだこと、それらがごったになって書かれています。

たまに適当にページをめくって少し前の私と対話を行います。

  • 英語とイタリア語で似ているけど意味が異なる表現
  • サウナをテーマにしたTシャツのアイデア
  • 青年期の生き方についての倫理講座
  • 「おしん」を観て感じたこと・学んだこと
  • 米国個別株・ETF・投資信託
  • 日本で一番大切にしたい会社
  • 事業・副業を始める時の確定申告について
  • 人生を高めるための言葉使い・心の持ち方
  • 日本のここに行ってみたい
  • アイドルグループ「五山オールスターズ」構想
  • サイドFIREについて考える

30枚つづりのノートが4冊目に入ったので、もう200ページ近く「私デスノート」をつけたことになります。

最近は図書館でよく本を借りるので、読書しながら印象に残るフレーズを書くことが多いです。読みながら心が動かされた場所に付箋を挟んでいきます。後でその部分の言葉をノートに書くだけなのですが、アウトプットを行うことで、内容がより自分の血肉になった感じがします。

通訳案内士の勉強をしていたので、それに関する内容も多いです。記された日本で行きたい場所は、一年前の自分は知らなかった場所です。

最近のお気に入りは「ゴザン」こと「五山オールスターズ」。これは、鎌倉・室町時代の京都・鎌倉五山を勉強していて頭に浮かびました。リーダーの苗字は「南禅」、他10人のメンバーには「円覚」「天竜」などそれぞれの寺の名前がつきます。

このようなアホらしいことですが、考えていると膨らむし、今度日本史好きの人と話をしたときに話そうと思うと、それだけでワクワクしてきます。

このワクワク感は、ブログを書き始める前の私に少なかったことです。

WH-Smithのノート、ブログ、私デスノートと、書くことを続けるうちに、少しずつですがいろいろなことが分かってきました。その中にはいくつかのキーワードがあります。

「自尊心」「言葉が心を作る」「今日が一番若い日」などです。そのキーワードの中には「ワクワク感」も含まれます。そして、その「ワクワク感」の源泉はこの「私デスノート」なのです。

これからも、心の声をこのノートに記し、ワクワクを感じて、そこから何か形になるものがあればこのブログに記事として載せて行きます。

投稿者: 大和イタチ

兵庫県在住。不惑を過ぎたおやじです。仕事、家庭、その他あらゆることに恵まれていると思いますが、いつも目の前にモヤモヤがかかり、心からの幸せを実感できません。書くことで心を整理し、分相応の幸福感を得るためにブログを始めました。