人生の主人公
「私は毎朝鏡の前に立ち自分に問い続けた『今日が人生で最後の日なら今から行おうとしていることをしたいであろうか』。その答えがNoの日が続けば、何かを変える必要があるということだった」
スティーブ・ジョブスがスタンフォード大学で行ったスピーチの有名な一節です。彼の言葉を味わいながら私は思いました。当たり前のことですが今まで考えなかったことです。
「私の人生の主人公は私自身である。そして私は自分の好きなことをして生きられる時代と環境にある」
ありがたい話です。私はこのような時代に、この豊かな国に生を受けたのです。しかも家族や仕事や健康に恵まれています。モヤモヤし続けている場合ではありません。私自身が主人公のこの人生を最高のものにしたいと思いました。そのような経緯で私は「私デスノート」を書き始めました。
これは漫画「デスノート」にヒントを得たものです。漫画ではデスノートに名前を書かれた人間に死が訪れます。記述されたことが現実となるノートです。
「私デスノート」も同様なことが起こることを願って作っています。私の人生の主人公は「私デス」。そして「私デスノート」に書かれた事は現実化します。そのようなコンセプトです。
とは言っても「分相応の幸せを噛みしめながら生きたい」とか「年中旅ができるぐらいのお金を稼ぎたい」というようなことは書きません。実際にそれらは私が望んでいる事ですが、漠然とし過ぎているからです。漫画の世界ならともかく、私がこのノートに漠然とした願いを書くだけでは望みが叶わない事はわかります。
ですから私はこのノートに自分の望みを叶えるための道筋を書きます。その前に自分が何を望んでいるのかを書くことで知ろうとします。
このノートの上で私は直感に従ってブレインストーミングを行います。私のアンテナが反応したことについての学びを記述していきます。それを繰り返すことで自分がどこへ向かおうとしているのかが可視化されると思うからです。
漫画「デスノート」と比べると即効性では遥かに劣ります。しかし「私デスノート」を書き続けるうちに自分の人生に少しずつ彩りが増しているのを感じます。充実感とか幸福というものは、ある日突然目の前にやってくるのではなく、このように少しずつそういった現実が現れてくる、そんな気がしています。
「私デスノート」も6冊目になりました。
ブレインストーミング
自分が何を望んでいるのか、漠然とし過ぎていて実感として掴みきれません。ですからそれを目に見える形にしていきます。ノートの空白のページに思いついた事をとにかく書きます。例えばこんなタイトルを記して、そこから考えを深めていきます。以下はほんの一部ですが、私の目指している方向性が見えると思います。
「ずっと機嫌のいい大人でいるために」
ブログを書き始める前、私は今以上に何かに追われていました。効率に取り憑かれ、常に何か有意義なことを行わないと不安で仕方がない、そのような心の状態です。思い出しても嫌なのは、そんな自分の縛りを他人にも要求してしまうことです。私は機嫌の良くない人間でした。これからは、いかに機嫌のいい時間を多く過ごすことができるか、それを第一に考えたいと思いました。
「一生遊び続けたい」
楽しみを先延ばしにし続けてきた男が今思うことです。楽しいことを「今」したいのです。そして「今」をずっと一生積み重ねていきたいのです。時間もお金も体力も、来たる未来ではなく「使いたい」と思った時が旬なのです。それを実行するのは本当に勇気がいることです。しかし、それ無しには、先延ばしの人生に幸福はありません。
「親父の星になるには」
私は今、モヤモヤしているイケていないオヤジから人生を楽しめるオヤジになろうとしています。ブログを書き始め、行動を始めて、4年前には考えられなかった気持ちで毎日過ごしています。しかし、周りを見るとかつての私のように後ろ向きで疲れた顔をしたオヤジが目立ちます。私は、それらの人に勇気を与えるような存在になりたいと思います。
「どんな野菜を作りたい?その野菜とどう付き合う?」
親も年を取るなかで、最近は実家に帰ることが多くなりました。帰れば田んぼや畑の仕事を手伝います。土に触れていると、何ともいえない落ち着いて豊かな気持ちになります。いろいろな野菜を作って、自分で料理したり人にあげたりしたら楽しいだろうな、と思います。イタリア野菜を育て、イタリア料理に挑戦するのもいいかもしれません。そんな生活にあこがれています。
「明石焼きの店はどんな店?」
3年前に明石焼きの魅力にハマり、銅製の焼き鍋を日本で唯一作る職人である安福さんを知りました。私の手元には安福さんが作った2枚の焼き鍋と業務用コンロがあります。もう安福さんは仕事をやめられました。私はいつ、どんな形で店を出そうか考えています。とりあえず今年中に「食品衛生責任者」の講習を受けようと思っています。
「ずっと相撲を見続ける生活をするためには?」
場所がやってくるたびに「もっと多くの勝負を見たい」と思います。録画したり、ネットの動画を見たりするのですが、毎日忙しいなかでとてもせわしなく、心から落ち着いて鑑賞することができません。そんな中私は場所中ずっと相撲を見られる生活を空想するのです。相撲バーを開くか、働く時間を自由に設定できる仕事をするのか、いろいろとアイデアを記していきます。
これらはほんの一部ですが、私が目指している方向性が見えると思います。このように頭に浮かぶテーマを私デスノートに記し、そこから連想されることを次々と綴ります。実現からは程遠い記述も多々ありますが、中には「これくらいならできるかも」と思えるアイデアが出てきます。
道のり
ブレインストーミングでアイデアを出すと同時に、私の目指す生活への道のりを考えていきます。ここは大きく3つの部分に分かれます。
心と体の状態
何をするにしても心と体が整っていないと力を発揮することができません。ですから、私がそれらにとって良いと思う情報を集めてはノートに書いていきます。情報源は本とネットの動画です。新聞を切り抜いて張ることもあります。
ノートに書くという作業はとても大切で、それを行わないとその時はどれほど良いと思ったことでも時間の経過と共に忘れてしまいます。時々ノートを見ることで、私の心に栄養を与えるとともに、体のメンテナンスについて考える機会を与えます。
経済状態
自分のやりたいことを考える時、理想的な経済状態はFIREです。農業をするにしても、全国のサウナを巡るにしても、相撲をずっと見つづけるにしても、とにかく時間が必要なのです。
ただ、私はFIREを目指すには年を取りすぎています。だから現実的なのは、投資から収入を得ながら仕事を減らす「サイドFIRE」になります。しかし、これも簡単な道ではありません。だから、それに少しでも近づけるように勉強をします。
投資について、節約について、お金の使い方について、いろいろ学ぶうちに私が今までお金に関して何も考えてこなかったことに気づかされました。動画を止めながらノートにポイントを記します。一番よく見るのは「リベラルアーツ大学」で、リベシティの会員にもなりました。
鼓舞・笑い・アイデア
自分を鼓舞するような情報に出会ったらノートに記します。モデルにしたい人の生き方であったり、印象付けられた名言なども記します。気持ちが落ちた時、このノートを見れば気持ちが上ることを目指しています。
ここでは具体例は書きませんが、私は下品なネタが大好きです。表現を一文字変えるだけで、全く別の世界が現れます。そんなネタをニヤニヤしながらノートに記します。この部分は誰にも見せることができません。自分で見て、プッと吹き出します。私は変な人間です。
仕事のアイデアもよく書きます。その中のいくつは実際に試してみました。上手くいったものもあります。下ネタの横のページに仕事のネタが並んでいたりします。そんな雑多なノートです。
このブログと合わせて「私デスノート」は、私の幸福にとって欠かせないものになっていると思います。どちらにしても「書く」という行為が関係しています。このブログに最初に投稿した記事のタイトルは「書くことは癒しになるのか」でした。
私は今、毎日前向きに楽しく生きています。そう言えるようになってきました。ノートにしてもブログにしても、書くことは本当に癒しになっています。
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