横須賀行くぞ

NHKニュース

今年度に入り心のエネルギーが低下することが多い。その原因のいくつかはわかっているし、ブログの記事を書くことで心を整えようとしている。

50歳になった時「これからは1秒でも多く機嫌のいい時間を過ごすことを目標に生きていこう」と決めたのであるが、なかなか思い通りにはいかないものである。

気分が落ちたり浮かんだりを繰り返す中で、先週久しぶりに大きなワクワクに包まれた出来事があったのでここに綴っていこうと思う。

トランプ大統領が来日した。直前、日本の政局は不安定となっていた。公明党が連立離脱し、誰もが予測しなかった自民と維新が手を組むことで高市新首相が誕生し、彼女が大統領に対応した。

今回の大統領来日に付随して、アメリカのへグセス国防長官もやってきた。日本側のカウンターパートは、これも就任したばかりの小泉防衛大臣であった。私はその会談の様子をニュースで見た。

二人の国防トップが並んだ写真が現れた。ネクタイを締めたシャツの上にはそれぞれ色違いで同じデザインのスカジャンが羽織られている。

これは小泉大臣がへグセス国防長官のために仕立てたものらしい。「そうか小泉ファミリーは横須賀が地盤だ」そう思った時、私に久しぶりの大きなワクワクがやってきた。

私もオリジナルのスカジャンを作ろう。プレゼントするのは自分自身である。

デザイン

若い頃スカジャンのデザインを見て不思議に思うことがあった。それはこのジャンパーの後ろ身頃上部には「JAPAN」の文字が刺繍されていること。当時はネットも黎明期で何でも検索できる環境ではなかった。

やがて大人になりスカジャン起源を知った。日本に駐留する米兵たちがその記念品として日本の花鳥をジャケットに刺繍してもらい母国へ持ち帰ったという。

面白い、と思った。だから後ろの文字はJAPANであり、デザインは日本と少し離れた感じ、つまりアメリカ人から見た日本なのだ。

スカジャンは面白いと思ったものの、私はそれを持っていない。自分のワードローブには合わないからだ。私は普通の体型の中年男、スカジャンが似合うとは思わない。

しかし今回のニュースを見てそんな思いも吹き飛んだ。似合っても似合わなくてもいいから、とにかくスカジャンを作ることを決めた。

私は「私デスノート」を取り出しジャケットの外縁を描き、背中の部分に模様を入れていった。私デスノートとは、日々頭に浮かんだ様々なアイデアや気づきをどんどん書き込むノートである。

漫画「デスノート」でそこに書かれたことが現実になるように、私デスノートに書かれたことも真となり私の人生を彩ってくれるというコンセプトである。私の人生の主人公は「私デス」。そんなあたり前のことに気づいて以来このノートを書き始め今は9冊目になる。

話が逸れた。私デスノートに書かれたスカジャンのデザインである。まず右上にイヌワシが描かれている。それと対をなして左下にはオオカミ。空いたスペース、つまり左上と右下には何か植物を描く予定であるが、まだ決まっていないのでグジャグジャと線が引かれている。

そして一番上には、このスカジャンのテーマが刺繍されている。すなわち「Giappone / Italia」である。

2028年秋

このスカジャンのテーマは「日本とイタリア」である。オオカミはイタリアの国獣、日本には国獣がいないため、絶滅危惧種で私の好きなイヌワシを採用する。この二国がテーマのスカジャンを着てイタリアを旅したい、これが私の今のワクワクの源泉である。

どうしてこのスカジャンを着るのかというと、イタリア人に「こいつはイタリア好きの日本人だ」と思ってもらうためである。世の中には「〜好き」をアピールするTシャツはたくさんあるが、それを大きな刺繍で表現する服はなかなかないであろう。

スカジャンはそれができる。しかも大げさ感なく、派手な刺繍が自然と似合う服である。私はこの服を着てイタリアの街を旅する。バルに入ってビールを飲む。デザインに気づいたイタリア人が私に話しかけ、それをきっかけに会話が弾む。「そのジャケット写真に撮らしてくれ」と人が集まってくる。

いいじゃなか。考えただけでワクワクする。さて、いつ行こうか。スカジャンが快適な季節を考える。夏は暑すぎ、冬は寒すぎる。ローマの年間の気温の推移を見ると、春は四月五月、秋は十月がこの服に適している。

私は2028年3月に一度高校教師を辞める。その先何をするのかはまだはっきりしない。ただ、4月の終わりから9月中旬までは米作りの仕事がある。そうなれば選択肢は限られてくる。

私は2028年10月にイタリアを旅する。特製のスタジャンにジーンズ。ベルトは和柄にしようか。雪駄を履いてもいい。ネットで調べると、本場横須賀にはオーダーメイドできる店がある。十万円ぐらいかかりそうだが、すぐに”Vale la pena di farlo!”(それをする価値はある)というイタリア語が浮かんできた。

イヌワシとオオカミ、それに加えて日本とイタリアを表す植物か景色を探す。何度もスケッチを書いて、デザインが固まったら横須賀に行く。3年後の今頃、スカジャンを着てイタリアを歩いている。ワクワクする。小泉大臣ありがとう。

投稿者: 大和イタチ

兵庫県在住。不惑を過ぎたおやじです。仕事、家庭、その他あらゆることに恵まれていると思いますが、いつも目の前にモヤモヤがかかり、心からの幸せを実感できません。書くことで心を整理し、分相応の幸福感を得るためにブログを始めました。