”三流シェフ”の街(後編)

ニシンの街 私と次男が留萌の街を訪問するのは今回で三度目であった。 最初は2021年の夏、札幌を朝一番に列車で出発し、この街でレンタカーを借り、すぐに羽幌方面へ向かった。羽幌線の廃線跡を見ながらドライブするのが目的であっ …

ありがたい話

駅間2.9キロ 今年最初のブログは「ありがたい話」から始めたいと思う。何がありがたいのだろう。それは端的に言うと「現代にこの国で生まれて暮らしていること」。昨年の終わり、そのことをしみじみと感じることができた。何でもない …

一瞬の出来事

静かな夜 「お父さん、少し外に出てきていいか」 お酒が入り、少しいい気分になった私に次男が尋ねる。 「どこ行くの」 「駅を見てみたい」 「気をつけてな。オレも後で行くわ」 2021年の暮れ、私と次男は二人で北海道を旅して …

実物大模型

次男を追って 私には二人の息子がいます。長男は大学生、次男は今高校に通っています。かつて次男は、鉄道の話をする私を少し煙たがっていました。例えば家族でドライブをしていて、鉄道関係の施設が見えたり、普段見ない列車が現れたり …

日本最北のサ活

ノシャップの先へ なんだかんだあってこの年3度目の北海道、2回目の稚内にいる。夕方6時前の列車まであと5時間半、さてどのようにここで過ごそうか。 この街へ来たのはこれが2度目。前回はこの年(2021年)の春であった。旭川 …

小樽駅4番線で

乗り換え時間 倶知安でサイクリングを楽しんだ私と次男は、この日の宿泊地札幌へと向かっていた。 今回も次男の立てた計画に沿った旅行。新幹線が札幌まで延伸した暁には存続が危ぶまれる函館本線の”山線”に乗るのが今日の大きな目的 …

陸路で北海道へ

久しぶりの夜汽車 今年の3月に続いて次男と北海道へ行くことになった。今度はどちらか片道、列車で行きたいという。 もう10年近く前、家族で北海道を旅行した。その時も片道は列車の旅であった。今は無き「トワイライトエキスプレス …

今年もやってきた

夏の音 中学生の頃、理科の授業で地球の自転と公転の話を教わった。 地球は24時間かけて自ら回転しながら、約365回転するうちに太陽の周りを一周する。その際、北極と南極とを結ぶ地軸が、公転軌道に対してに23.4度傾いている …

共に歩むということ

午前4時の寝室 年をとってきたということだろうか、布団に入り途中で一度も目を覚すことなく朝を迎えることがなくなった。たいていは4時ごろ自然と目が覚める。 枕もとの常夜灯のスイッチを入れると、すぐ横に妻の寝顔が浮かび上がっ …