生駒山の麓 ここ数日、家事をしながら涙ぐむ妻の姿を度々目にした。私が意地悪をしたわけではない。運命のいたずらを彼女は感じていたのだ。 大阪の中心部から東へ進み生駒山へぶつかる麓に石切という街がある。そこには関西の人から「 …
カテゴリーアーカイブ: 神様仏様
それでも今日・明日を
義父の家で 2024年元旦の午後、私は一人で今年のサウナ初めを行いそのまま義父の家へと車で向かった。新年の挨拶をするためだ。義父は今一人で暮らしている。 挨拶を済ませてお茶を飲みながらダラダラと話をする。妻や子供たちは神 …
天国はアル
平日の有給休暇 働き始めてからずっと「これができる仕事ならなあ」と思うことがある。それは平日に有給休暇を取ること。簡単なことに思えるだろうが、私の仕事でそれは「誰かに自分の授業を押し付けること」になる。 授業というものは …
母の声
久しぶり 3年ぶりに実家に泊まった。日曜に農作業を手伝うための帰省であったが、午前中の時間を有効に使うために前日夜に帰宅したのだ。母の作った料理をあてに焼酎の湯割りを飲みながら両親と話をする。 私が実家に到着した時間が遅 …
乗らないツーリング
立ち飲み屋で 1年前にかかりつけの内科で脂肪肝の診断を受けて以来、私は肝臓とお酒に関する本を何冊か読みました。本を手にするたびにお酒を減らすことができそうな気がするからです。 実際に読んでいる間は納得してます。家でお酒を …
レアな経験再び(後半)
竜馬がゆく 旅に来ていると不思議と目覚ましなしでも自然に目が覚める。この日も、前日かなり飲み食いしたにも関わらず、6時半に気持ちよく目が覚めた。隣のベッドには私の仲人さんが横たわっている。とても不思議な感覚がする。照れく …
頂上の蛇
優先順位 「バイクが好き」と人に言う割にはそれほど乗っていない。「出かけたい」という思いと「その時間があれば語学など有意義なことができる」という気持ちが駆け引きをし、たいていは後者が勝ってしまうからである。 私は常に「何 …
聖地を前に
二代目 広沢虎三 高校生の頃からずっとハードロック・ヘヴィーメタルを聴き続けてきた私ですが、大人になった一時期、落語や浪曲に興味を持ったことがありました。落語は古今亭志ん朝、浪曲は二代目広沢虎三です。 壁一面に並んだCD …
レアな経験(後半)
朝の散歩 若者たちの晩婚化が叫ばれて久しい。私たちの時代は30歳が一つの目安であった。20代後半で結婚して、30歳で親になる。特に女性にとってこの数字は切実なラインであったと思う。 今は30になり結婚している男性は少数派 …
恋人の訃報
長崎の友人 私には、長崎にもう30年以上付き合いのある友人UJがいます。大学時代のノリが抜けきれない彼は、深夜何時であろうとお構いなしに私に電話をかけてきます。私の方はというと、もう十分大人になっているのでそのような電話 …