出かける前のNHK
私は世間とずれている人間であると自分でもよく思います。そのことを嫌が上でも痛感させられるのは、周りが芸能人やスポーツ選手の話をするときです。私はまわりの話についていくことができないのです。誰もが当たり前のように知っている有名人を知らないからです。
この原因の一つは私が普段テレビを見ないことにあります。全く見ないというわけではありませんが、自分から見る番組は限られています。その限られた番組の一つが朝6時台に放送されているNHKニュースです。出かける前に天気と降水確率が知りたいので、出勤の準備をしながら注意半分で聞き流すのです。
先週のある日、寝室からリビングに移動し惰性でテレビのスイッチをつけるとニュースをやっていませんでした。代わりに画面に映っていたのは山本太郎氏でした。衆議院選挙を前にこの時間帯は政見放送に充てられていたのでした。
私はしばらくれいわ新撰組の政見放送を見ました。党首の山本太郎氏は立派に堂々と党の政策を主張していました。かつては別の党から立候補していたと記憶しますが、自分の党を立ち上げ日本各地で活動をする中、政治家としての風格がついてきたように感じられました。
その日、仕事から帰宅した私は山本太郎氏をYouTube検索しました。平成生まれ以降の人々にとって彼は役者か政治家のイメージが強いでしょう。昭和後半生まれの私が彼を最初に目にしたのはもっと別の強烈な姿でした。
私は画面に「メロリンキュー」と入力し、動画の視聴を開始しました。
“政見放送を見た日” の続きを読む