穏やかな朝
もう何回この会場に通ったのでしょうか。大阪環状線の天満駅から徒歩3分の「天満研修センター」は、私が知っている限りずっと大阪でのイタリア語検定の会場です。いろいろな大きさの会議室が集まったこのビルは各検定の会場として使われているようで、1階のモニターにはそれらの会場案内が示されています。
私は去年と同じ7階の部屋へ入室して試験の開始を待っていました。すごく穏やかな気持ちでした。今までこんな気持ちで検定を迎えたことはありません。
心穏やかであった理由は「受かっても受からなくても、どちらにも楽しみがある」と思うことができたからです。どういうことでしょうか。
私はイタリア語の勉強をかれこれ20年以上行ってきました。途中でやめたり、再開したりを繰り返しながらの20年です。もともと勉強する必要性はありませんでした。「したほうがいい」という直感にしたがった行動でした。
しかし、一旦始めるとこれは泥沼のようなものでした。語学は継続してなんぼ、使ってみてなんぼです。私は日々忙しく働くなかで、学習時間を確保することに苦労しました。イタリア語となると、日常的に使う機会もほとんどありませんでした。
そんななかで何度も挫折しそうになりました。「何のために私はこんな無駄なことに時間と労力をかけているのだ」繰り返し思いました。「いっそやめてしまえば、どんなに自由な時間が増えるのだろう」本気でそう思いました。
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