作品のある店で
8割方覚悟はしていたことでありますが、はっきりと知ってしまうとやはり動揺してしまうものです。自分の無意識の中で知ることをできるだけ先延ばしにしようとしていたことを知ってしまいました。
先日妻と二人で電車に乗って明石に出かけました。以前から行ってみたいと思う店を訪問するためです。私たち二人は明石焼き(現地では玉子焼きと呼ばれている)が好きで、特に昼間ビールを飲みながら食べるそれは最高であると考えます。
私たちはいつものように玉子焼きと瓶ビールを頼みました。小さなコップに注ぎあったビールをチビチビと飲む間に上げ板にのった玉子焼きがやってきました。
私の持っている焼き鍋よりも穴が少し浅いもので焼いたのでしょう、玉子焼きは高さが低めで円盤のような形をしています。
箸でつまんで出汁に浸さずにそのまま食べてみます。昆布の出汁がよく効いているのがわかり、熱々のためチビチビだったビールがグビグビに変わります。
出汁に浸して食べ、その出汁に一味を足して食べてみます。その度にビールが進み、瓶をもう一本追加です。唐揚げや餃子は生ビールとでも良いですが、玉子焼きは瓶ビールをコップに注いで飲みながらが断然美味しいです。
私たちは幸せな気持ちで食べ終えて勘定のために立ち上がりました。お金を渡す奥さんの向こう側は焼き場です。そこに見覚えのある形の焼き鍋が数台並んでいます。持ち手の形をみると間違いありません、安福さんの作品です。
私は勇気を出して言葉を発しました。
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