姫路の手前で
ガザ地区は長方形のような形をしている。その幅は5〜8キロメートル、長さは約50キロでその中に約200万人の人が暮らしているという。世界で最も過密な場所の一つである。
2023年10月以来、そんな狭くて細長い地域の中をガザの住民たちは行ったりきたりしている。途中で命を失うものも多数いる。周りを敵と海に囲まれて逃げ場のない中、北へ行ったり南へ逃げたり。どんな気持ちで歩みを進めているのだろうか。
「パレスチナに比べると〜、ここは天国」
日付が変わった空の下、そんな歌を口ずさみながら私は国道2号線を東へと歩いてる。普段は車で溢れているこの道は信じられないぐらい空いていて、時折やってくる車が通り過ぎるとシーンとした静けさが戻ってくる。
「この馬鹿者め、自分のバカさ加減を体に叩き込め」
私は自分に対して毒を吐きながら、神戸方面へ向かってビジネスバックを手に革靴で歩いていく。同時に私が今行なっていることがそれほど危険じゃないことに感謝しながら、バカな自分を楽しんでいる気持ちもある。
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