今度は私が
私にしては珍しく、電車に乗っている間何も聞かないし何も読まない。阪神尼崎から大阪難波線に乗り換えて、じっと窓の外を眺めている。
大物駅のすぐ横に新しい阪神の二軍用球場ができようとしている。観客席も多くかなりの規模であることがわかる。もうすぐここに多くの阪神ファンがやってきて野球を楽しむのだろう。私はこの場所で電車の窓から試合を眺めている未来の自分の姿を想像した。
電車は県境を越えて大阪府に入る。しばらくすると淀川を渡る。川幅一杯に水をたたえた上を美しいトラス橋を、床下から聞こえる心地よいジョイント音とともに電車は疾走する。川下を見ると真新しいコンクリート製の橋台が見える。あと数年の内、この橋も架け替えられることになっている。私は真新しい橋の上を電車に乗って通過する未来の自分の姿を想像した。
電車は古い街並みを抜けて西九条に到着する。初めてこの駅に立った時ここは終着駅だった。相対式2面2線の片方のホームを使い、列車が着いては折り返すだけの寂しい駅であった。線路の先、九条側の塞がれた壁を見ながら私は「ここから難波方面に列車が通る日を私は体験できるのだろうか」と思った。
長い中断期間を経て工事は再開され、西九条と難波は線路でつながり私はこうしてこの駅を経由して東に向かっている。
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