サイコロを振る
JR西日本は、少しでも会社に入るキャッシュフローを上げたいのだと、ここ三年間感じている。コロナで落ち込んだ需要を何とか取り戻そうと、ありえないほどお得な企画切符を販売してきた。この一月に販売された「サイコロきっぷ」もそんな中の一つだ。
クレジットカードで五千円を払いウェブ上でサイコロを振り、目が出た都市までの特急列車利用での往復切符が手に入るのだ。行先は「出雲市・米子」「加賀温泉・福井」「山口・湯田温泉」そして「博多」。行先によって目の出る確率は異なり一番レアな博多は12分の1である。
鉄ヲタとして、または地理好きとして、どこに行こうが面白そうでお得である。土日の一泊で遊んで来ようとサイコロを振ったが、思わぬ落とし穴が待っていた。
これだけお得な切符なので当然いろいろな制約もあって当然なのだが、そのことに入金・サイコロを振った後で気がついたのだ。一番の制約は「必ず特急の指定席を取り移動すること」であった。指定席は発券後は変更不可で、自由席に乗ることも許されない。
私は「出雲市・米子」の目を出し、希望の土日の特急券を取ろうとして唖然とした。席がないのだ。コロナ禍で、多くの空いた特急列車を見てきたので、「特急やくも」も余裕で予約できると思っていたのだ。
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