鉄萌えスポット
一般の人にとって何にも感じることはないが、鉄道好きにとっては叫びたくなるぐらい興奮することや場所がある。電車のモーター音やエンジン音、複々線区間での列車の追い抜き、行き先の異なる列車の切り離しや連結といった場面が一般的には当てはまる。
私も鉄道好きとしてこれらは大好きである。そして、そのような場面を体験したときの気持ちを、個人的に「鉄萌え」と呼んでいる。私はアニメ好きではなく「萌え文化」からは遠い位置にいるのだが、この「萌え」という言葉を鉄道に当てはめると、なぜかしっくりとくるのだ。
未分化の混沌とした感情があり、それに言葉を与えることで何を感じていたのかが浮かび上がってくる。言葉以前にモノはなく、のっぺりとした世界が言葉によって分節され、初めてモノが現れる。それは概念も同じである。
私の尊敬するみうらじゅんはそれを行う天才である。彼以前に「マイブーム」という概念も「ゆるキャラ」というモノも存在しなかった。言葉がモノや概念を作り出し、私たちの心を豊かにする。
いつものように話が長くなった。未分節だった私の感情は「鉄萌え」という言葉を持つことで、それがどんなことなのか私の中で鮮明になっている。
さて、自分にとっての「鉄萌え」を考えてみる。一番強い「鉄萌え」の感情はどこから湧いてくるのだろうか。踏切、鉄橋、車内チャイム、そんなワードが頭のなかに浮かび上がってくる。
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