大人の文章
「人は学び続けなければならない」そう思いながら生きてきた。物理的な年はとっても、学び続ける限りは若くいられるし、逆に年齢は若くても知ることへ対する好奇心を失えば老人のようなメンタリティーになってしまう。
この世の中は不思議なことだらけだ。私の目の前で日々繰り広げられる数々の現象。いつ、どんな必然性があってそうなっていて、それが何をもたらすのか、考えだしたらきりがなくなってしまう。
私と私以外との関係、そう考えている私とはいったい何ものなのか、おそらく私は知ることなく生を終えるであろう。しかしながら、私はそれを考えずにはいられない。つまり、学ぼうとせずにはいられない。
学びのための一番手軽な方法は本を読むことである。人間が言葉を持ち、その言葉を記す文字を発明したため、人間の知恵は世代を超えて受け継がれることになった。言葉が、そしてそれを記した本が現在の人間を作ったということができる。
そのようなわけで私は図書館によく行く。幸いなことに通勤途上に公立図書館があるため2週間に5~6冊ずつ本を借りて読み続けている。時間に追われた生活をしているため、サッと背表紙を眺めて、直感で5冊ほど選んで貸出機へと向かう。
先日、いつものように足早に本を選んでいると、私の目に懐かしい名前が飛び込んできた。私の足がピタリと止まった。
「鈍行最終気まぐれ列車 種村直樹」
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