ニシンの街
私と次男が留萌の街を訪問するのは今回で三度目であった。
最初は2021年の夏、札幌を朝一番に列車で出発し、この街でレンタカーを借り、すぐに羽幌方面へ向かった。羽幌線の廃線跡を見ながらドライブするのが目的であった。駅でそばを食べた後、車で市内を通り過ぎるだけの滞在。
二度目は同じ年の冬、豊富から小樽へ向かう予定であったが大雪のため宗谷本線が止まった。私たちは急遽羽幌経由留萌行きのバスに乗り、留萌本線経由で深川へと向かった。この時も、バスを降り、駅前でラーメンを食べるとすぐに列車に乗った。
そういうわけで、留萌の街をそれなりに見るのは今回が初めてであった。「廃線になる前に留萌本線に乗っておくこと」二人にとって出発の数日前までは、これが共通の目的であった。
「三流シェフ」に出会い、私の目的が変わった。三國清三が中学生まで過ごした街を感じてみたかった。私は「三流シェフ」の第一章を何度か読み北海道へ向かった。この章のタイトルは「小学校二年生の漁師」。三國氏が札幌へ出るまでの生活が書かれている。
“”三流シェフ”の街(後編)” の続きを読む